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古代中国の呪術 蠱毒

 古代の中国では、その社会の中においていわゆる「呪術」の役割が大きな部分を占めていた。中国、日本などで現在でも使われている文字である漢字も、その起源は古代の中国において呪術的な役割を持った記号であったと考えられている。古代中国の呪術の中でも比較的私たちが聞き覚えのある呪術の1つに蠱毒がある。犬夜叉やハンターハンターなどのアニメや、フィクション小説の中にもたびたび登場している。今回はこの蠱毒について簡単に調べてみた。

1. 蠱毒とは何か

 蠱毒とは、古代中国において発達した呪術の1種であり、近世まで特に中国西南部の少数民族(ミャオ族やペー族)において用いられた呪術である。一般的な呪術の様式は、次のようである。

  1. ムカデや蜘蛛、昆虫などの虫を壺など入れ物の中に入れて互いを戦わせる。
  2. 生き残った虫をすりつぶす。
  3. すりつぶした粉を呪いたい相手の食事に混ぜたり、相手の民家に撒いたりする。

2番目の手順において別に虫をすりつぶさなくても良い。その虫を呪いたい相手の民家に住まわせるという方法も存在する。この手順は一般的に女性が行う。

2. 蠱毒の効能

蠱毒の効能には大きく分けて3つある。1つは、呪いたい相手を殺すというもの。2つ目は、呪った相手から富を奪うというものである。3つ目は、いわゆる媚薬である。

3. 蠱毒のリスク

蠱毒は、とても強力な呪いの1つと考えられていた。つまり、術者にもそれなりのリスクが存在すると考えて良いだろう。例えば、蠱毒を用いて他人の富を奪った場合、蠱毒の呪いは奪った富により強大化すると考えられていた。その強大化した呪いは、術者にも帰ってきてその術者自身の富までも食らってしまう。それを避けるために、蠱毒を他人に転嫁させたり(道端に金銭と一緒に蠱毒で用いた虫を近くにおきその金を拾った人に呪いを転嫁させる)、呪いを祭り上げるといった方法で古代の人々は蠱毒の呪いのリスクから逃れていた。

4. 蠱毒を少しアカデミックな見地から見てみる

 蠱毒研究は、民俗学の分野では比較的に行われている研究の一種である。研究テーマとしては、「憑き物」としてみた蠱毒や日本の呪術との比較研究、漢人(いわゆる中国人)の少数民族の間の歴史、古代中国の文化研究、貨幣経済や農業経済の発展と呪術の関係など様々である。特に、貨幣経済や農業経済の発展と呪術の関係の研究については、蠱毒のその私怨的な性質は格差社会からきているものと考える研究者たちもいて、現在の金満主義が盛んにみられる中国において蠱毒的なものがどのように扱われているかのど社会的な側面まで含んだ研究になっている。

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参考記事

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcanth/71/2/71_KJ00004582483/_pdf

http://www5d.biglobe.ne.jp/~miya_mk/box/oka/oka_003.html

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasca/2017/0/2017_B10/_pdf/-char/ja

 

 

 

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