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量子コンピューターって何だ?

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 量子力学とは、微小な粒子達の世界を扱う物理学の分野である。上の画像の数式は、量子力学に関する数式で最も有名な式である不確定性原理を表す式である。この式において、Δxは粒子が今どこにいるかを求めた際の測定誤差を表し、Δpはその粒子の運動量がどれくらいか求めた際の測定誤差を表す。hは、プランク定数(値 = 6.62607004 × 10-34 m2 kg / s )と呼ばれる量子力学を勉強するとよく目にする定数を2πで割ったものである。この式が表すことは、つまり粒子の位置を求めようとすれば、粒子の運動量の測定の誤差が大きくなり、その逆も然りということである。これは、私たちが普段目にする世界とは大きく異なる点である。このような微小な粒子達の世界が有する普段私たちが目にする世界の常識とはかけ離れた性質を利用したものが「量子コンピューター」である。

 1. 量子コンピューターの基本的な仕組み

 まず、今現在みなさんが操作しているスマートフォンやノートパソコンはどのように情報を処理しているのか?それは、「0と1を一定のルールにもとづいて次々と処理する」といものです。コンピューターでは、画像や動画、文字、音声などの全ての情報は0と1で表現される。つまり、コンピューターが行なっているのは、これらの0と1で表現された情報を解読してその情報をウィンドウに映し出すといった作業である。今までのコンピューターは、例えば4桁の0と1の数字を表すときに

0000 0001 0010 0011 ……

というように1つずつ4桁の0,1のみで構成される数字を表していたが、量子コンピューターはここが大きく異なる。どのように異なるかというと、量子コンピューターは従来のコンピューターとは違って0と1を同時に表すことができる(いわゆる重ね合わせ状態)のである。具体的には、例えば4桁の0と1のみで構成された数字は、24通り存在します。従来のコンピューターは、全ての数字を1つずつ求めていましたが、量子コンピューターは0と1を同時に表すことができるので1回で全通りの数字を表すことができる。これが、量子コンピューターが従来のコンピューターよりも計算を早く行うことができると言われる理由である。

 このように量子コンピューターは、0と1を同時に表すことができる特徴を持っているため従来のコンピューターよりも計算を早く行うことができるのだが、一体なぜ量子コンピューターはこのような性質を持つことができるのか?

そもそも量子力学が扱う微小な粒子の世界では、その微小な粒子(原子など)は重ね合わせ状態として存在している。電子の例を借りて説明してみる。電子は、地球のように自転をしている。この自転の勢いに相当する量をスピンと呼ぶ。スピンには方向性があり、例えばスピンが下向きの電子を慣用的に1の状態、スピンが上向きの電子を0の状態とする。電子は、量子力学が扱う微小な粒子の世界においてこの0と1の状態を同時に取ることができる。この電子を入れたいわゆる  を数字の桁に対応させて配置すれば量子コンピューターの基本的な仕組みの完成である。実際は、この箱はシリコンなどからできており量子ドットと呼ばれいる。他にも量子コンピューターの基本的な仕組みを実現させる技術として、光子の偏光を用いたもの、超伝導回路における電流の向きを利用したもの、イオンのエネルギー状態を利用したものがある。

2. 量子コンピューターの欠点

 ここまで紹介してきた量子コンピューターの特性については、とりあえずは量子コンピューターは従来のコンピューターよりも計算を早く行うことができるということさえ理解していただければ問題はない。しかし、この量子コンピューターは従来のコンピューターよりも計算を早く行うことができるという特徴を実現させるための原理である量子コンピューターは0と1を同時に表すことができる」という原理が、同時に量子コンピューターの欠点も生み出すのである。

問題ごとにアルゴリズムが必要になってしまう

 量子コンピューターには、いわゆる得意分野の問題があることが分かっており、そのような問題の1つが「組み合わせ最適化問題」と呼ばれる種類の問題である。例えば、この問題の例の1つとして「巡回セールスマン問題」というものがある。どのような問題かというと、1人のセールスマンが複数の顧客を1回ずつ訪問して元の場所に戻ってくる際の最短ルートを求めるというものである。例として10箇所の場所にセールスマンが訪問する場合の最短ルートを求める場合を考えてみる。10箇所訪問するさいのルートは、360万通りを越える。量子コンピューターは、この360万通りのルートを一瞬にして導き出すことができる。しかし、どれが最適ルートなのかはまだ分からない。このルートを求めるために必要なのが「量子アルゴリズム」である。ルートを導く際に量子アルゴリズムが適用されていない量子コンピューターは360万通りのルートを等確率で導き出す。この確率にある種のゆらぎを与えるのが量子アルゴリズムである。量子アルゴリズムとはどういったものか。量子コンピューターに「距離が短いほど、そのルートの観測される確率が高くなる処理」を施す。こうして重ね合わせたパターンをふるいにかけた上で観測すると、最短ルートがのみが最終的には観測される。これが量子アルゴリズムの正体である。しかし、このアルゴリズムは私たちが想像するような論理的なアルゴリズムではない。また、問題ごとにアルゴリズムが異なる。よって、量子アルゴリズムを導き出すことは普通のアルゴリズムを導くような処理では難しいのである。

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