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ドイツの負の歴史を今に伝える「つまずきの石」

 先日、大学の先輩が卒業旅行の旅行先であるドイツから帰ってきた。私は、センター試験で世界史Bを選択していたこともあり、ドイツのあのややこしい歴史を受験生の時に勉強していた。そんなこともあり、ドイツから帰ってきた先輩たちとドイツの歴史についての話で盛り上がった。その話から久しぶりにドイツの歴史について現代史を中心にネットで調べものをしたりしていた(ドイツの中世史などは気分が乗らなかったので避けた)。そんな中で見つけたのが、今回紹介する「つまずきの石」に関する記事だった。

1. つまずきの石とは

 「つまずきの石」とは、ケルン出身の芸術家であるGunter Demnigが1992年から始めたナチスドイツにより迫害を受けたユダヤ人や同性愛者、共産主義者や反ナチスの人たちが迫害を受けた当時に住んでいた家の前の路地に、縦、横、高さ10cmのコンクリートを埋め込み、その上に彼らの名前や生年月日などを刻んだ真鍮製のプレートを貼るというプロジェクトである。路地よりも少しでっぱているし、色も黄金のため独特の存在感を放っている。プロジェクトのドイツ語名は、Stolperstein である。現在は、ドイツだけでなくオランダなどのヨーロッパ諸国にも「つまずきの石」は存在している。

つまずきの石 中西啓介撮影
出典 https://mainichi.jp/articles/20181229/kei/00s/00s/011000c

2. 「つまずきの石」プロジェクトの特性

「つまずきの石」プロジェクトの他にもナチスによる迫害を受けた人たちに対する哀悼の念を込めたモニュメントや国家的プロジェクトは、ドイツには存在している。しかし、これらのプロジェクトのどれも「つまずきの石」プロジェクトのようにここまで市民生活に溶け込んでいるものは存在しない。また、このプロジェクトの特性として、1つ1つの石にスポンサー(ドイツ語で“Pate”)が付いている。スポンサーは石1個につき95ユーロを支払い、その石に対して責任を持つ。設置するだけで終わりではなく、定期的に掃除をしたり、磨いたりもする。スポンサーは個人でも団体でもOKで、現在も募っている。これらの特性からも、ドイツ国民の、ナチスという自分たちの負の歴史を決して風化させないという強い覚悟が伺える。

3. ドイツを旅行する際には「つまずきの石」を意識してみるといいかも

 ドイツ旅行といえば、ビール、ソーセージ、様々な歴史的建築物など魅力が満載の旅になることは間違いない。しかし、それだけではドイツという国が抱えている負の歴史まで触れることはできない。旅の散策の途中にこの黄金のプレートを見たら少し立ち止まって、1939年から1945年にこの国(ヨーロッパ)で何が起こったのか深く考えてみるのもいいかもしれない。

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参考記事

http://www.newsdigest.de/newsde/regions/reporter/hamburg/2974-833/

https://scholar.google.co.jp/scholar?hl=ja&as_sdt=0%2C5&q=%E3%81%A4%E3%81%BE%E3%81%9A%E3%81%8D%E3%81%AE%E7%9F%B3&btnG=

http://www.newsdigest.de/newsde/archive/street/48-holocaust-mahnmal/

ドイツの道で見かける金色の石「Stolpersteine」(躓きの石)について

https://tokuhain.arukikata.co.jp/cologne/2016/07/no_11.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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