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最古の人種 カポイド

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ヒトをその文化的、外見的特徴で分けると多くの人は、黒人、白人、黄色人種の3つの人種でヒトを分類しようとします。しかし、その認識は不十分ではないでしょうか。人種の分類の仕方には様々な指標がありますが、ここでは人種の5大分類を採用します。そして、今回はその5大分類の1つであるカポイドについて書こうと思います。

 カポイドは、主にコイ人(通称:ホッテントット)とサン人(通称:ブッシュマン)に区別されます。区別する際の指標は、狩猟採集生活を送っているのがサン人で、遊牧生活を送っているのがコイ人です。彼らは、ボツワナからナミビアにかけてのカラハリ砂漠を中心に、アンゴラから南アフリカまで分布しています。

上の画像は、カポイドの1種であるサン人の男性の画像です。ハリウッド映画に出てくる黒人とは、少し外見的特徴が異なります。顔つきは、黒人というよりも東アジアに住む人々に近く、肌の色も黄褐色です。しかし髪の毛は、黒人のように縮れた髪の毛をしています。コイ人も、外見的な特徴は、サン人と変わりません。少し異なる点としては、サン人は身長がびっくりするほど小さいです(成人男子の平均身長が155cm)。

サン人の社会的特徴としては、驚くまでの平等主義です。これは、彼らの生活形態が農耕民のように固定的でないことが原因だと考えられます。彼らは、「私はアメリカ人」「私は日本人」といった強固なアイデンティティーを持ちません。かろうじて共通の言語文化への帰属性から「私はサン人」と自覚します。また、サン人は、数を3までしか持っていません。4以上の概念は、指で表すか「たくさん」という表現を用います。実に単純です。コイ人の場合は、キリスト教化と白人との混血が著しく特徴的な文化はサン人に比べて見られません。しかし、社会の階層化が見られるので多少サン人とは社会的特徴が異なっていると考えられます。

 カポイドの最も魅力的な特徴としては、彼らの言語とお尻でしょう。彼らの言語であるコイサン語は、クリック音と呼ばれる独特の発音を用いるので非常に難解です。日本語は発音が言語の中でも単純な部類に入るので、日本人がコイサン語を聞き分けることは不可能に近いでしょう。カポイドの女性のお尻は、とても特徴的です。下はその画像です。

画像では、女性のお尻がとても突き出ています。これは、ステアトピギー(脂臀)と呼ばれている特徴で、臀部に脂肪がたまるために見られる特徴です。人類が、大昔に飢餓に苦しみ体内に脂肪を貯める必要があった時代に発達した形質の名残であると考えられています。他にも下唇の伸長(通称:ホッテントットのエプロン)といった彼ら特有の特徴があります。

 カポイドは、遺伝子解析の結果によるとホモ・サピエンスの中でも最古の人種になると目されています。そのため、20世紀に多くの人類学者の研究の対象となりました。しかし、現在では彼らはその分布と人口を大きく減らしています。これは、今に始まったことではありません。最初は、3000年前に始まった黒人の1種であるバンツー人の南下による圧迫、次に西欧列強のアフリカへの進出、最後に現代文明の浸透による伝統的な生活の破棄によるものです。

以上がカポイドに関する基本的な事実です。彼らのことについて興味を持った場合は、「ミラクルワールド /  ブッシュマン」という映画を見ることをおすすめします。ブッシュマンの名前が世界中に知られるようになったきっかけの映画です。カポイドの文化は、人類が文明を作り上げる前までにどのような文化を持っていたかを私たちに教えてくれます。また、人類がいかに多様でおもしろい生物であるかが、カポイドを調べていると大いに実感できました。

追記 人類の分類の仕方は様々な指標があるため、5大分類を用いた場合でもカポイドは黒人の1種とみなすことがあります。

参考記事

文化人類学辞典 法文堂

http://trail.tsuru.ac.jp/dspace/bitstream/trair/441/1/055131(%E6%AD%A3%E8%AA%A4%E8%A1%A8%EF%BC%89.pdf

 

 

 

 

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